2015年8月22日土曜日

スマホのシャッターをマイコンから押す方法:作例

スマホのシャッターをマイコンから押す方法を実際に作成したメモ

単純なリレー回路なので、キモは光学リレーICの使い方だけ


光学リレーについて:

 光学リレー(フォトカプラ)はLEDとフォトトランジスタを組み合わせた素子
 同じICにパッケージされているが、LED側とトランジスタ側は別回路で絶縁されている
 LEDを点灯させるとフォトトランジスタがその光を受光し、エミッタ―コレクタ間に電流が流れる
 
 めっちゃ簡単なイメージは次のような感じ

 LEDへの入力:スイッチのON/OFF
   スイッチをONにするとエミッタ―コレクタ間が接続する
  スイッチをOFFにするとエミッタ―コレクタ間が切断される

  ※ただし、エミッタ―コレクタ間の電流の方向は決まっている(後述)


光学リレーICについて:

 実際に光学リレーICを使ってみる
 

TLP621-1
 東芝セミコンダクター製の1回路光学リレー
 
下のピン接続図と配置をそろえてある

ピン接続図/左側がLEDで右側がトランジスタのシンプルな回路
 
 とてもシンプルな素子なので使い方も簡単
 
  1.アノードからカソードに電流を流すと
  2.エミッタとコレクタが接続される

 これだけ
 注意すべき点は以下のとおり
  
  ・ピン配置を間違えないこと
    →丸印があるのが1ピン

  ・LED側の回路に適当な抵抗を挟むこと
    →電流が大きすぎると普通のLED同様に破損する

  ・エミッタ―コレクタ間の電流の方向に注意すること
    →電流の流れる方向はトランジスタ記号の矢印の方向
     TLP621ならばコレクタを+側、エミッタをマイナス側に結線すること
  

作例:

 前回取り上げた100均のシャッターケーブルの中に光学リレーを組み込んでみる
 ピンソケットでアノード/カソード端子を引っ張り出し、外部から5V/GNDを接続できるようにする

必要な材料/光学リレーとピンソケット

 カッターでピンソケット2ピン分の開口部を作る
 ソケットの厚みと壁の高さがほぼ一緒なので作業の難易度は低い

開口部の加工

 ピンソケットを3ピン分切り出し、2ピンが外に露出するように加工する
 ピンソケットの内部には金属端子があるのでプラスチック用ニッパーで切らないこと

ピンソケットの加工/開口部に合うように調整すること

 ピンソケット側をLED側、タクトスイッチ側をコンデンサ側にしてTLP621-1を結線する
 タクトスイッチ側の配線には極性があるのでエミッタ/コレクタを間違えないこと
 LED側に抵抗を入れておくことを忘れないこと

配線の例/赤が+黒が-の配線とした

 フタを閉じる前に動作確認をする
 シャッターケーブルの4極プラグをスマホに接続してカメラを起動する
 ピンソケットのアノード側に5V、カソード側にGNDを接続するとシャッターが切れることを確認

タクトスイッチを挟んでみた例/スイッチを押すと通電してシャッターが切れる

 ピンソケットへのピンの挿入に耐えられるように適当に接着する
 接着剤には絶縁性のものを使うこと

ハックルーを使ってみた

 フタを閉めたら完成
 開口部がうまく閉まらない場合は微調整すること

完成

 バイパスしてあるだけなので元々のタクトスイッチも生きている
 シャッタースイッチに限らず、スイッチの類には同様の加工で光学リレーを使うことができる


 以下は今回使った材料

 ・シャッターケーブル
  →100円均で買える
   ダイソーで購入したが似たような商品はどの店にもあった

 ・フォトカプラ 赤外LED+フォトトランジスタ TLP621-1
  →秋月で購入
   40円とお安い
   同等品ならば他社製でも当然OK

 ・分割ロングピンソケット 1x42 (42P)
  →これも秋月で購入
   すごく良く使うので常にストックしてある
   刃の厚いニッパーで切り離すと砕けるので注意

 ・ハックルー
  →これまた秋月
   いつか使ってやろうと買ってあった
   普段は100均のホットボンドを使っている
   ホットボンドと違って絶縁性が保証されているのがよい
   使い勝手はあんまりよくなかった
   またホットボンドに戻りそう

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